湖東三山西明寺の桜/滋賀県犬上郡甲良町

滋賀県内で唯一の天然記念物に指定されている西明寺の不断桜(フダンザクラ)は彼岸桜系統の冬桜に分類される。その名は9月中旬~翌年5月上旬にかけて断つことなく花を咲かせることに由来し、春と秋に満開となる。親株は樹齢約280年にもなり、国指定名勝庭園「蓬莱庭」のあちこちで花を咲かせる光景はとても風情がある。「近江の苔寺」とも呼ばれ、境内の苔と桜の花びらとのコントラストも美しい。また表参道で存在感を放つ樹齢約250年のしだれ桜は圧巻で、紫がかった花をつける阿亀藤桜(オカメフジザクラ)や紅花の寒緋桜(カンヒザクラ)も一見の価値がある。