和歌にも詠われた「ヤマザクラ(山桜)」は日本の桜のオリジナル？名所7選

ヤマザクラ(山桜)は本州、四国、九州をはじめとする国内の広範囲に自生する野生の桜の種類であり、多様な品種が交配によって生まれる現代に至るまで、日本の自然景観の一部として広く親しまれてきた。

和歌に詠われた日本古来から伝わるヤマザクラ(山桜)

古代より和歌に詠まれ、古典文学で頻繁に言及される桜は、このヤマザクラを指すことが多いとされている。現在一般に見られる桜の多くは、このヤマザクラとの交配によって誕生した品種であることも少なくないのだとか。

そんなヤマザクラの花は、白から淡い紅色に変わる美しい色合いを持ち、花のサイズは中輪。特徴的なのは、赤、黄、茶色の新芽が開花期に同時に生長し、成熟した葉の裏側が白く見える点だ。また、ヤマザクラは野生種であるため、見た目や花の量に多様性があり、葉や葉柄、小花柄に毛が生える薄毛山桜などの変異種も存在する。

花の見ごろは、関東や関西地方で4月上旬〜4月中旬にかけてとされている。そしてヤマザクラの有名な名所には、奈良県の吉野山や茨城県桜川市の磯部桜川公園があり、「西の吉野、東の桜川」と称され、古くから多くの人々に愛され続けている。

「ヤマザクラ」が鑑賞できるおすすめの桜名所・お花見スポット

「ヤマザクラ」が鑑賞できる全国の有名なスポットを紹介。

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有珠善光寺自然公園の桜 - 北海道／例年の見ごろ時期：4月下旬～5月中旬

1100年以上の歴史を持つ北海道最古の由緒ある有珠善光寺にある公園。樹齢200年の蝦夷山桜は、石割桜と呼ばれ、北海道の記念保護樹に指定されている。また公園内は1000本の各種桜が順次咲くため、長期間にわたって花見を楽しむことができる。例年の桜の見ごろは4月下旬から5月中旬。

有珠善光寺自然公園は、長期間にわたって種類豊富な桜が楽しめることで有名だ。中でも「石割桜」は巨石を割りながら成長している桜で北海道の記念保護樹木に指定されている。

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愛宕山(山頂)の桜 - 茨城県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月下旬

愛宕山には、約20種類2000本の桜があり、3月下旬からソメイヨシノ・山桜が開花し、4月下旬頃まで牡丹桜を楽しむことができる。また、愛宕山の標高差により麓の桜が山頂にかけて山を上るように開花していく。3月下旬頃にソメイヨシノが見ごろとなり、4月中旬頃には牡丹桜が楽しめる。

2025年3月22日(土)～5月6日(振休)には、「あたご山 桜まつり」を開催。開花時には、山頂大駐車場大鳥居付近の桜がライトアップされる。

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小石川後楽園の桜 - 東京都／例年の見ごろ時期：3月中旬～4月上旬

小石川後楽園は都内に現存する大名庭園の中で最も古く、江戸期の庭園として典型的な回遊式庭園。1629年(寛永6)年に水戸徳川家初代藩主・頼房が造成し、2代藩主・光圀(水戸黄門)の代に完成した。「海・山・川・田園」を見立てた起伏に富んだ景観の中に、日本と中国の景勝地が数多く展開する和漢の調和が美しい庭園。いまなお秀れた景観を維持しており、特別史跡及び特別名勝として国の文化財に指定されている。

里山の風景が表現されている菖蒲田付近では、花を咲かせた山桜がのどかな雰囲気に彩りを添える。春の到来を感じさせる新緑と薄桃色のコントラストが美しく、花見におすすめのスポットだ。

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けいはんな記念公園(京都府立関西文化学術研究都市記念公園)の桜 - 京都府 ／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬

芝生広場(無料区域)には約300本の桜があり、満開の時期には桜に包まれた空間や園路で花見が楽しめる。水景園(有料区域)は広場ほど桜が多くないが、山桜をはじめさまざまな桜の品種があり、現代の回遊式日本庭園と桜の調和を楽しむことができる。2025年3月29日(土)17時～20時30分には、広場にてライトアップとともに夜桜まつりを開催。夜市や音楽ライブとともに夜桜を鑑賞できる(※詳細については公式サイト等でご確認ください。桜の開花情報も紹介)。

桜が咲き乱れる芝生広場や遊具広場を家族で楽しめるほか、水景園では山桜やツツジ、モミジの新芽など、庭園と里山の春の景色を満喫できる。

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五月山緑地の桜 - 大阪府／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬

大阪府池田市にある五月山緑地は、豊かな自然と開放感が魅力の広大な公園で、春には桜が咲き誇る人気の花見スポット。公園入口から山頂の日の丸展望台までソメイヨシノや山桜が咲き、ドライブウェイでは車窓からも桜を堪能できる。遊具のある公園には、ローラーコースターや迷路などファミリーにも人気だ。また、2025年3月29日(土)・30日(日)には、さくらグリーンマルシェが開催。

桜が見える緑楓台ではバーベキューも楽しめる。また、散策路を歩けば、桜のアーチをくぐるような贅沢な体験が楽しめる。

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吉野山(上千本)の桜 - 奈良県／例年の見ごろ時期：4月上旬～4月中旬

日本一の桜の名所とも言われる吉野山には、シロヤマザクラを中心に約3万本の桜が密集しており、一目に千本見える豪華さという意味で一目千本といわれている。下千本や中千本に比べ標高が高いため眺望も良く、花矢倉展望台からは吉野山を一望できる。2025年4月11日(金)・12日(土)には蔵王堂花供懺法会が行われる。

展望台からは、吉野山全体の桜が眼下に広がり圧巻だ。また、3月22日(土)～4月20日(日)18時～22時には、ライトアップを実施(開花状況により日程変更の可能性あり)。夜間はライトアップにより、神秘的な花見が楽しめる。

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火の山公園の桜 - 山口県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬

下関の街並みや響灘に浮かぶ島々、関門橋、巌流島、さらには対岸の門司港の街並みから小倉までも眺望でき、市民の休養の場や観光地として1年を通じて多くの来園者が出入りする公園。例年、3月下旬から4月上旬に花見の見頃を迎え、ソメイヨシノと山桜など約1000本の桜が咲き乱れる(※工事のため山麓のチューリップ園のみ入園可。駐車場がないため公共交通機関を利用)。

火の山公園トルコチューリップ園では約4万本のチューリップを広範囲にわたって楽しむことができる。桜との共演も見ものだ。

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垂水公園の桜 - 宮崎県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬

霧島山系が眺望できる小高い山頂に位置し、春はソメイヨシノ、山桜、八重桜が咲き誇り、約1キロの桜並木を作り出す。園内の樹木の風景の中に淡いピンク色の桜が浮かび上がり、花見客の目を和ませる。春の穏やかな陽の下、散歩するのに最適なスポット。

園内には、ソメイヨシノ700本、八重桜100本、山桜100本、彼岸桜100本の計1000本の桜が植えられている。