日本で一番早咲きの桜って知ってる?「土肥桜祭り」が1月18日(土)から開催!
静岡県
冬も本番といった寒い時期が続いているが、これから次第に気温が上がっていくにつれ、春のお花見のシーズンへと移り変わっていく。そんななか、一足先にフライングでお花見を楽しめる桜があることを知っているだろうか?
今回は、雄大な海岸美と山岳美に恵まれ、駿河湾から水揚げされたばかりの魚介類もおいしいと人気を集める温泉地、静岡県伊豆市の土肥地域に植樹されている、日本で一番早咲きと言われる桜「土肥桜」を紹介する。
「土肥桜」の特徴とは?ルーツも紹介
土肥桜の特徴は、12月中旬から蕾がほころびはじめ、1月上旬には開花し2月中旬まで咲き続ける、早咲きの桜ということ。紅種(濃いピンク)と白種(薄い紅色がかった白)の2種類があり、紅種は2007年3月に品種登録がされた。
花びらは大きく、長い茎の一枝に6~7個の花を付け、木の全体を紅く染めあげるという美しい見た目も特徴だ。これは同じく早咲きの河津桜に似ているが、開花期が早いのと、花弁の色がより濃いピンクで、花弁のつけ根の重なり方も異なっている。
もともと山林にあった土肥桜だが、当時、小下田に医院を開業していた故・佐藤萬夫さんが診察室の花瓶に飾っていた。そして、寒冷地での水稲栽培法を確立した北海道大学名誉教授の故・小川義雄さんが、1958年ごろにその花瓶の桜に惚れこみ、珍しい桜なのでぜひ接木で殖やしたいと申し出、殖やしはじめたのがルーツとされている。
そうして現在では、静岡県伊豆市土肥温泉エリア内に大小あわせて400本ほど植栽されており、極寒期に一足早い春の訪れをもたらしてくれているのだ。
日本一早い花見を満喫!土肥桜まつりが開催!
土肥温泉では、この土肥桜を広めようと苗木を育成し、恋人岬や松原公園等に植栽を進め、毎年1月中旬から2月上旬に土肥桜祭りを開催している。今年の開催は1月18日(土)から2月5日(水)で、メイン会場の松原公園を中心に、土肥桜見どころ6選スタンプラリー、桜まつり限定御朱印5種、物産の販売、フォトコンテスト、太鼓ショーやミュージックライブなどが行われる。
土肥桜祭り一番の注目イベントは、ボンネットバス「踊り子号」で巡る土肥桜満喫ツアーだ。かつて天城峠越えの路線バス「伊豆の踊子号」として一世を風靡した1964年式の国産ボンネットバスは、手動ドアや板張りの床が昭和レトロを感じさせる。日本一早咲きの土肥桜の名所を巡るバスツアーで、特別な体験をしてみよう。
【土肥桜満喫ツアー 詳細】
■開催日:2025年1月26日(日)、2月2日(日)
■出発時間:11時発、13時発の1日2回
■所要時間:約75分
■集合場所:松原公園(ボンネットバス付近)
■定員:25名(申し込みは1組2名まで)
■料金:1人2000円(土肥桜育成基金)
■予約:伊豆市観光協会土肥支部 0558-98-1212まで(9時から17時)
※予約は1人1回のみ
土肥桜まつりにあわせて、土肥地区の各寺社で入手できる限定の御朱印も要チェックだ。伊豆市生まれの紙切り作家・水口千令(みずぐちちはる)さんが宮司、住職から各寺社にまつわる話を直接聞き、創作したという切り絵の御朱印は、繋げるとひとつの絵のように見ることができるという、デザインのこだわりも詰まっている。人々が幸せでありますようにと願いを込められており、これから訪れる心も体も暖かな春を願うにはぴったりの御朱印だ。
また、今年は初めての催しとして、メイン会場の
松原公園
での土肥桜のライトアップも行われる。松原公園は駿河湾越しの夕陽の名所でもあるため、海や空といったすべてが茜色に染まる絶景を楽しんだあとで、あわせて夜桜までも満喫することができる。
観光協会の担当者によると、例年の見ごろは1月下旬から2月上旬だが、今年は1週間ほど遅く1月末から2月中旬の見込みとのこと。土肥桜祭りでは、期間中の土曜・日曜には太鼓ショーやミュージックライブなども開催される。月末の予定として一足早いお花見を検討してみてもよいだろう。
【「第10回土肥桜まつり」開催概要】
■開催場所:静岡県伊豆市土肥 松原公園芝生広場など
■開催期間:2025年1月18日(土)~2月5日(水)
土肥桜まつり会場に全国初の観光型津波避難タワーも誕生!
2024年7月には、土肥桜まつりのメイン会場である松原公園に、防災と観光の機能を高度に融合させた、日本初の津波避難複合施設「テラッセ オレンジ トイ」が誕生した。
土肥地域を支える産業である「観光」を活かしながら、土肥地域で暮らす人々の生活や産業につながる水産資源、豊かな景観やそれらをつくり出している生態系などの「環境」、地震・津波に対する地域の安全・安心となる「防災」とのバランスを図っていくというこの施設には、津波の到達しない海抜14メートルの高さに避難床となる展望フロアが設置され、災害時には1200人の避難スペースとして、日常ではレストランや展望台として活用されている。
また、避難床へ至る2本の幅広階段を建物外周に配置し、地域に不慣れな観光客でも避難経路が一目で理解できるという工夫もなされている。この階段は、散策を通して松原と海の壮大な景観を体験できる経路として設計されている。日常的に観光施設としての役割を果たすことで、利用そのものを避難訓練とし、地域住民や観光客の日常的な防災意識を高める効果も期待できるという、まさに一石二鳥な施設だ。
【津波避難複合施設「テラッセ オレンジ トイ」 詳細】
■1階:土肥特産市「ありがとう」(地場産品直売所)
地元で獲れた海産物、農家直送の地場野菜、地元製造のかまぼこやお菓子、地酒など、静岡県限定のお土産がそろっている。
■1階:マジックアワーカフェ Porto101
海と夕焼けで西伊豆旅行を彩る、地元の牛乳屋が運営するテイクアウトカフェ。10種類以上のトッピングが楽しめるソフトクリーム、エスプレッソマシンで淹れるおいしいコーヒー、アレンジミルク、伊豆の地場食材を使用したドリンク・フードを扱うお店だ。
■3階:海と夕日を奏でる食事処「ありがとう」(レストラン)
駿河湾の海の幸と、地元産のわさびを堪能できる。イチ押し商品は、「土肥わさび丼」。その他にも海鮮丼も充実している。碧い海を眺めながら、生ビールと一緒に楽しめる軽いおつまみメニューも豊富だ。
静岡県伊豆市の土肥地域は、夏には西伊豆最大の海水浴場としても賑わうが、日本で最も早咲きの桜「土肥桜」がほかの時期には見られない景色を作り上げる。日本で一番早い「春」を体感しに出かけてみてはいかが?
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
文=平岡大和
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