韮崎市でお花見が楽しめるスポット5選！富士山と桜のコラボレーションは必見

春の訪れを告げる桜の季節がやってきた。山梨県韮崎市には、市の“シンボルツリー”的存在とも言える「わに塚のサクラ」をはじめ、多くのお花見スポットが点在している。桜が見頃を迎える時期には、残雪の富士山や八ヶ岳、青い空などをバックに、美しく咲き誇る姿を愛でることができる。家族や友人グループと訪れてお花見パーティをするもよし、一人で自由に桜スポット巡りをするもよし。韮崎でしか見られない桜のおすすめスポットを紹介しよう。

凜とした美しさが人々を魅了する孤高の一本桜「わに塚のサクラ」

韮崎で街行く人に桜の名所を尋ねたら、誰もが答えるであろう最も有名なスポットが「わに塚のサクラ」だ。推定樹齢は約330年、市の指定文化財にも登録されている。田園に囲まれた塚の上に立つエドヒガンザクラはフォトジェニックで、ドラマのタイトルバック、さくらメールのポスターや切手に起用されたことをきっかけに、全国的に知られるところとなった。南東に富士山、北西に八ヶ岳を望む立地もよく、カメラを手に撮影に訪れるファンも多い。

「わに塚」の名前の由来には、日本武尊(やまとたけるのみこと)の王子・武田王が埋葬された場所ということで“王仁(わに)塚”と呼ばれた説や、塚の形が鰐口(わにぐち ※神社仏閣の軒先にかけられている金属製の仏具の一種)に似ていることからなど諸説ある。

自然災害などの影響により枝折れや花数の減少が見られたことから、2021年にクラウドファンディングを実施。「わに塚のサクラ」ファンの多くの人たちの協力のもと、集まった寄付により樹勢回復作業を行い見事によみがえった。剪定作業の様子や、その後の「わに塚のサクラ」の様子は「韮崎市ふるさと納税note」で報告されている。

「わに塚のサクラ」はJR韮崎駅よりタクシーで約10分、もしくはバスで約15分。近くには「武田八幡宮」や「願成寺」などの武田信玄にゆかりのあるスポットや、「武田の郷 白山温泉」、「韮崎大村美術館」など立ち寄りたいスポットがいろいろある。2025年は韮崎駅を発着とした、わに塚のサクラを含むお花見スポットを巡るツアーも開催予定。昼間は少し濃い花色が青空に映え、夜のライトアップでは昼の姿とはまたひと味違った幻想的な姿も。1本の大木から四方に枝が伸び花を咲かせる力強い姿は必見だ。

戦国時代の城郭跡がピンクに彩られる「新府城跡のサクラ」

1581年に武田家の築城技術の技巧を集め、武田家最後の武将・勝頼が築いた「新府城(しんぷじょう)」。勝頼は織田軍侵攻を前に自ら城に火を放ち、夫人と息子信勝と共に自害、武田家は滅亡してしまうのだが、その跡地が“山城”として韮崎市の観光スポットとなっている。本丸跡付近には新府藤武神社があり、30本近く植えられたソメイヨシノが美しく、お花見の穴場スポットとなっている。

JR新府駅より徒歩約15分、JR韮崎駅よりタクシーで約15分、もしくは中央自動車道・韮崎ICより車で約20分。新府といえば、“桃源郷”も有名、新府城跡は小山の上にあるので、そこから眼下に広がる「新府桃源郷」を見下ろすことができる。最もよい時期には、桜と桃と菜の花の共演を見ることができるだろう。

韮崎で最も早く開花する「韮崎駅前広場のコヒガンザクラ」

桜のシーズンにJR韮崎駅に降り立つと、駅のロータリーを華やかに彩っている桜が目に入る。韮崎市民にとって最も身近ともいえるこの駅前の桜は、1978年に韮崎駅前広場の完成を記念して、長野県上伊那郡高遠町(かみいなぐんたかとおまち ※現伊那市高遠町)より寄贈されたコヒガンザクラ。

前述のとおり、韮崎市は武田勝頼が新府城に自ら火を放った、武田家終焉の地として知られる。一方、旧高遠町は、信州高遠城にこもり織田軍と戦いで落城・戦死した勝頼の弟・仁科盛信が最期を迎えた地。まさに韮崎市と伊那市の、甲斐武田家ゆかりの地としてのご縁が生んだ桜の名所と言えるだろう。

毎年、開花から散り始めるころまで18時〜22時でライトアップを行っている。JR韮崎駅前ロータリーと、アクセスもよいので韮崎市に立ち寄った際にはぜひ足を向けてみてはいかがだろうか。

地域住民が憩うさくら祭りも開催予定！「穴山さくら公園」

JR穴山駅の線路横すぐの場所に位置する「穴山さくら公園」は、その名のとおり、お花見が楽しめるスポットとして知られている。公園内には50本、周辺を含め約100本のエドヒガンザクラが植えられている。これは、山梨県韮崎市制施行50周年記念として市民植樹を行ったもので、ソメイヨシノに比べると濃いピンク色が美しく印象的。

JR穴山駅から徒歩約1分、もしくは中央自動車道・須玉ICから約10分、韮崎ICから約15分。桜の開花に合わせて、毎年「穴山町さくら祭り」が開催されている。「地域主体」「環境配慮」「世代間交流」の3つをコンセプトに、地元の学生のパフォーマンスやフリーマーケットなど、趣向を凝らしたイベントが行われている。韮崎市観光協会のウェブサイト「にらさき観光ナビ」で情報をチェックして足を運んでみよう。

“桜並木✕富士山”のコラボレーションにうっとり「大門沢川の桜並木」

韮崎市旭町上条南割を流れる「大門沢川(だいもんざわがわ)」沿いも桜の名所となっている。川沿いには遊歩道が整備されているので、桜を愛でながらおさんぽする人、ジョギングやサイクリングを楽しむ人の姿も見られる。天気がよければ、桜並木越しに富士山を見ることができ、その景色はなかなかフォトジェニック！

JR韮崎駅よりタクシーで約10分、もしくは中央自動車道・韮崎ICより車で約15分。近くには全国でも珍しい源泉100%かけ流しの炭酸泉で有名な「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」があるので、桜と温泉をセットで楽しんでみてほしい。

温泉、ラーメン、文化財！お花見とあわせて訪れたい韮崎市のスポットを紹介

お花見に出かける際にはぜひ、韮崎市の温泉やラーメン、武田家ゆかりのスポットもおすすめしたい。春の日帰りドライブにぴったりだ。

韮崎の桜は、花そのものの美しさはもちろん、四方を自然に囲まれた場所だからこそ、富士山や八ヶ岳などの雄大な山を背景にした自然美が大きな魅力。また、山肌にぽつぽつとみられる野生の山桜も風情たっぷり。今回紹介したスポットは1日で巡ることも可能な距離なので、今年は気軽に韮崎のお花見スポットを巡ってみよう。

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

取材・文＝水島彩恵